数学教育における「問題」の位置づけ 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
















 
 数学の学習指導で,「問題演習」や「テスト」には次の2つの意義があると考えられます.
       (1) 学習内容が理解出来ているかを確認する.
       (2) 学習内容の理解を深める.

 
  (1)は教科書や問題集の基本的な練習問題などに,
   
(2)は教科書や問題集のやや応用的な例題などに
              対応していると考えられます.
 
   問題の難易度や分量などは,言うまでもなく問題を解く生徒の状態に対応させて考える必
   要があります.
    最終的に2次方程式を解くことになる問題で,力がある生徒や高学年の生徒であれば,
    √ ̄を含むような解になっても構わないでしょう.
    でも,力が十分でない生徒や初学者が相手だったら,できれば整数解になるように設定
    してあげたいと考えます.
   とりわけ,最近の高校生の計算力の低下は目を覆いたくなるほどで,こういった配慮が重要
   になっています.
   そのためには,問題の設定を十分に工夫する必要があります.

  大学入試問題は,「入学者を選抜するため」の
            a ふるい落としのためのもの
         という側面を否定できませんが,本来的には
             b 大学教育を受けるに足る学力の確認のためのもの
        でなければならないのでしょう.

  ある内容の問題をいくつか解かせるとき,難易度などに応じて
   「どのような順番で解かせたらいいか」
   
ということも配慮を要する ことがらです.
   このことについては,「水道方式」などの研究がかつてありましたが,小学校の算数の範囲
   の研究だったと思います.
    高校の数学の範囲でも,こういったきめ細かな研究が必要なときかもしれません.